絶対に勘違いしてほしくないのですがアルコール依存治療で病院の意味が無いという訳ではありません。でも病院に行って簡単に完治する病気ではない事も確かです。
アルコール依存の結果、そのまま続けば肝硬変となっていくのですが、その際には様々な症状が現れ救急で搬送されることがあります。私の身近でもそれは起こりました。
確かにその場の治療で何度も命が救われました。病院という施設は本当に神のような施設で感謝しかありません。
しかし、アルコール依存の怖いところは原因が明らかにアルコールと分かっていてもその原因を簡単に排除できない、つまりお酒を辞めれないところです。
つまり、医者がどんなけ延命措置、命を何度救おうが原因が排除できない以上、それを繰り返すという事です。いづれは医者でも治せないほどの状態に陥るのは言うまでもありません。
これは医学的な知識を持たない私でも身近で強く感じた実体験であり断言できるほどの経過です。確かに救急搬送先はHCUなどアルコール依存専門ではありません。
しかし、その後に明確な原因であるアルコールを断つことが出来るかどうか、それをこの救急搬送先で期待することが出来ません。
中には、当然、今回の手術、入院によって強く断酒を決め、その意思が継続的に続き最良の治療を受ける人もいると思います。
しかし、大半はそれが出来ずに何度も繰り返すことが多いと聞きます。実際にその医者も同じことを言っていました。根本原因を解決しない限り改善が見込めるわけがありません。
その場に起きた致命的な症状を解決させるだけ、つまり先延ばしにできるだけというのが病院での救急治療です。
アルコール依存の結果、病院に行っても依存症という病気が治るはずもありません。これは何も病院が無力と言いたい訳では無く専門外という事が言いたいのです。
アルコール依存専門の病院でも無力
アルコール依存は心の病気だと身近に大切な人が陥り常に近くでみてきたからこそ本当に思います。
病院での基本的な治療である外科的に治療、または薬による治療では酒を断つという事はなかなか出来る事ではありません。
酒を辞めれない心をコントロールさせる必要があるのです。お酒が必要なくならなければならない病気なのです。
それならアルコール依存専門の病院もあると希望を持つ人も少なくないと思いますが、これがかなり難しいのも現実です。
そもそも、アルコール依存専門の病院を検討する時期というのも大抵、後がない状況に陥ってからという人がほとんどです。身体になんの変調も無いのに前もってその選択を出来る人は極僅かです。
「お酒を辞めれない、やめるつもりも無い」
この状況でアルコール依存専門の病院は無力です。これはかなり多くのアルコール依存の専門科のある病院に問い合わせや直接説明を何度も聞きに行った結論です。
結局、止めるか辞めれないかは本人の意思。
そこで辞めるという決断をした人にのみ強力にサポートしてくれるのがアルコール依存の病院です。でも多くの人が辞めれない、辞めたくないと選択するのが現実ではないでしょうか。
どっぷりお酒にハマり、お酒無しの人生は考えられない。
このように思ってしまうアルコール依存症の人が多いのです。
つまり、そんなサポートしてくれる病院があったところでそこまで辿り着くことが難しい。
それが身近な人がアルコール依存に陥った人の断言できる意見です。
誰も患者に酒を断たせることを強要出来ない
私の身近で起こった出来事もそうですが、多くの人も同じような事が起こっていると聞きます。それはかなり深刻な状態になっても酒を断たないという事です。この状況では病院はまったく役に立ちません。辞めるつもりのない患者を強制的に断たせる権限は医者はもちろん警察にも無いからです。
残念なことにお酒を飲むこと自体、成人であれば合法です。お酒を飲むことを誰も止める事が出来ないのです。これが他の薬物とは違うアルコール依存の難しいところなのです。違法麻薬ならば強制的に断たせる事は可能です。
当然、犯罪として逮捕されますので出所後の再犯は抜きにして少なくとも逮捕されている状態でそれに手を出すことは不可能な状態を作り上げる事が出来ます。しかし、酒となれば運転しなければ飲む行為で当然、逮捕されることはありません。
誰も強制的に酒を断たせることが出来ないのです。だからこそ、本人の意思がかなり重要であり、その意思がなければ治療も困難なのです。本人の意思を固める事がアルコール依存治療の第一歩であり、それが無ければ一歩も進まない事を私の身近でも体験しました。
強要できないからこそ、いかに本人にその意思を持ってもらえるか?そこがアルコール依存治療のすべての始まりでもあり、そこをクリアさせない事には病院も何も出来ないという事をしっかりと周りも理解して治療に向かうように賢く努力していく必要があります。
心のコントロールを病院で出来る?
うつ病をはじめとして心の病気は病院でもなかなか思うような結果は出ていないのが現実です。
昨日までそうだと思っていたことが治療によって180度考え方が変わる。もっと具体的に言えば手術をして変わる、薬が投与されて変わる。それは現代の医学では出来ていません。
アルコール離脱症状の治療の第一選択は、ベンゾジアゼピン系薬物(BZD)である。その際、高齢者でない限り、ジアゼパムなどの長時間作用性 BZD の使用が推奨される
引用元:新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドラインに基づいたアルコール依存症の診断治療の手引き
依存している心を依存しない心に変える
そんなことが完璧に出来る病院などあるはずもありません。この件に関しては完全に専門外だとすら思っています。
事実、何度もそういったものを目指す専門病院にも足を運びましたが思うような治療にはたどり着けませんでした。というよりも本人が乗り気にならなかったのです。
本人が前向きに断酒と向き合う
これが一番難しいのです。
気持ちを変えるには?
アルコール依存者がアルコールを断とうとする
なかなか出来る事ではありません。
事実、それが出来ずに入院をなんども繰り返す人が少なくないのです。
結局、一番重要なのが「本人の意思」となるのです
お酒を断てば良い
こんな簡単な事ですが依存症になってしまうほどのものを断つのはかなり至難の業です。
お酒を辞める、我慢する
その気持ちになることを病院に期待することは出来ません。
病院はその後の話なのです。
依存から脱却する意思
そこが今後のアルコール依存患者の行く末を左右する最初の分岐点。そこをクリアしない限りアルコール依存の治療は始まらないのです。その気持ちの変化は病院では無く周りのサポートが大きい場合が多いです。
具体的な方法が分からない
一番難しいところは「依存から脱却する意思に気持ちを変える」ところです
病院でも無理、周りからの意見でも無理、何より本人にそのつもりが無い。
結局、人の気持ちを変えるのは相当難しいという事がわかるばかりです。実際に私の場合もそうでした。
- アルコール依存者にとっては人生で欠かすことが出来ないお酒
- お酒の無い生活など考えられない
- 今後、一生お酒を飲まないなんて絶対に無理
- だったら好きなことをして死んだほうがマシ
こういった思考回路になってしまうのです。
- どうしたら前向きに頑張ろうとなってくれるのか?
- どうしたら変わった意思を継続してくれるのか?
残念ながらこれという解決策が見当たりません。というよりもそうなった人達を見ても人それぞれなのです。解決策が無いのではなく、どれが解決策になるのか分からないといったほうが正確な表現かもしれません。
これという具体的な方法はありませんが多くの人がそうなった方法というのはいくつもあります。可能性の高い事をどんどん行い少しでも早く本人がその意思を持てるようにしていくのが大切だと思います。
そのままアルコールの飲み続けてしまえば取り返しのつかない事になってしまう可能性が非常に高いです。時間との勝負といった側面もありますので有効な方法をしっかりと選択肢、治療を始めていくことが重要です。