新卒で入社した職場は程よい緊張感がありました。毎日素敵な洋服に囲まれての仕事は楽しくて充実していたと思います。
ただ、緊張し過ぎなのかよく眠れずに朝を迎える事が多いうえに立ち仕事なだけに足が痛くて痛くて、少しカリカリしていたと思います。
ある時、2日間の連休で私は前日に友達と飲み会をして派手に騒ぎ、ナンパされて朝まで大人数で飲みました。
嫉妬深い彼が執拗に電話をしてきては無視。怒り心頭だろうが、待っていればいいものを彼はしつこく電話をしてくるのです。
バッテリーが切れたら本当に話せなくなるのにバカな向こう見ずです。皆飲み疲れ、終盤にさしかかると私はやっと彼の電話に出ます。
ありがたい事に迎えに来るから。こいつのおかげで、どんなに外で飲んで帰りに困って変な男の家に泊まったりすることはなく済みました。
乗り込むや否や奴の強烈なビンタが飛んできて、「どこに居たんだ!」が始まりました。正直に言う訳がないのに。
私も奴に応戦。車内で取っ組み合いの大げんかでした。よく覚えて居るのがこの時、私はだいぶ酔っていて精一杯大暴れしたら一眠りしようと思ったことです。
飲んだらメチャクチャになるまで何かを発散させたいと。
奴も仕事があるものだから朝方まで私を待った挙句、大げんかをしながら家に送り届けて、仕事を終えると真っ先にまた私に会いに来るのです。
大暴れして体の節々が痛むまま夕方になると奴から電話がきて「これから旅行に行こう。休むって言ってきたから」と言うのです。
ドジな私は連休だと奴に話したようでした。まあ、旅行も悪くないからいいでしょう。車に乗り込むと、奴はなんだか弱々しくやつれていました。
ここで初めて私に酒を飲んで欲しくないと言いました。まだ19の若い子供心にも、一生懸命言っているのがわかりました。
「ヤダ。だったら別れればいいでしょ。人を思い通りにしようなんて間違ってると思わないの?私が飲んで大暴れするのはあんたがやかましいから。おとなしくしてれば暴れないでしょ!」そう言ったのですが本心は違いました。
本当はもう何がストレスで何を発散したいのか分からないのに、暴れたくて飲む自分に気づいていました。
アルコールと、許す彼に依存
務めていた店が閉店して、違う店舗に移ったのですが遠くてすぐに退職。少し職探しをしながらダラダラと過ごしていました。
彼は私の機嫌が良くなるようにと毎日仕事が終わると会いに来てご飯と酒をご馳走するようになりました。私が絡んで暴れてもやり過ごす術を身につけていたのだと思います。
ただ別れが来ないように、酔った時だけ我慢していれば…と思ったのでしょうか、本当に若い2人でした。
おとなしく飲むこともありましたし、きっと酒癖の悪さは大きな問題と感じないくらいタフだったのかと。
そんな時、私は他に好きな人ができて彼に別れたいと言いました。本当はもう新しい人と付き合っていたけど、そっちが良くなって。過去にも隠れて色んな人と付き合いました。
もちろん好きな人ができたとは言いませんでした。面倒だから。
ここからはもう本当に最悪な修羅場を経験しました。いろんな要因が重なって、ますます私のアルコール依存性と酒乱が悪化。
こうなった心境を振り返ると、眠りが浅いことが多く、いつフッと寝入ってしまうんじゃないかという不安の中で仕事をしていた事。
実は、この時のヒヤヒヤ感が辞めた後も残っていた事。二股をかけて、本当は新しい相手はこの嫉妬深い彼ほど自分に執着しないのではないかという不安。
認めたくないけれど自分は寂しがり屋な事。でも、新しい人に「この嫉妬深い彼のように愛してほしい」と言えないこと。不安定だったのでしょう。
でもとりあえず彼の制止を振り切り、新しい人と付き合うも待ち伏せされ鉢合わせして相手が引いてしまい、結局別れました。
ここからさらに彼の執着と嫉妬がひどくなり、でも不機嫌な私をなだめようと飲みに連れて行って「あんたがいなければ私は幸せになるの!しつこくしないで!」から始まり、大げんかの日々でした。
この時で、朝方二日酔いで家に帰り、起きると彼が会いに来てまた酔っ払うという生活でした。